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貶女(おとしめ)
第11章 【セクハラ教師 side】
「ひッ」

顔を強張らせた莉桜が飛び退くが、中年教師は気を悪くするでもなく変わらずニヤついていた。

「それに、お母さんに話しておくこともあるしな」

「は、母に言うんですか?」

「ああ、報告だけはしておくべきだろう?万引きは誤解でも、店員と揉め事を起こしたんだから」

「それは…そうですけど」

「大丈夫、ちゃんと話せば分かってくれるさ」


嫌なことを少しでも先伸ばしするようにノロノロと浮かない顔でドアを開けようとした莉桜が「あれ?」と小首を捻る。

「お母さん出掛けてる…?」

そう呟くのを、垂水は聞き逃さなかった。



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