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貶女(おとしめ)
第11章 【セクハラ教師 side】
「すみません、先生。母は留守みたいです。あの…説明はちゃんと自分でしますから…」

莉桜が暗に『帰れ』と言っているのは垂水にも痛いくらい伝わるが、きいてやる義理はない。

「いや、いい機会だから是非ともお母さんと普段の生活態度について話したい。この時間なら買い物だろう?帰るまで待たせてもらおうか」

「え…ッ」

「いつまでも外で待たされるのは しんどいなぁ…あ、こんにちは!」

わざとらしく汗を拭いながら、垂水は通りかかったエリートサラリーマン風の男に大きな声で挨拶する。

「ッ!せ、先生、どうぞ中へ」

近所の住人に怪しまれるのは嫌なのだろう、莉桜は『先生』と呼んで垂水の役職を強調し、真っ青な顔で鞄からカギを出してドアを開けた。


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