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3ヵ月に1度の涙の理由
第1章 あなたにあげる、リンドウを
道行く人々がアキト達を注視する。女の子はそれに気付き、足早に去って行く。
あーあ、めっちゃ目立ってんじゃん。ご愁傷様。

ひとりぼっちで立ってるアキトを見ると、彼もこっちを見た。

「あ、アズサじゃん」

話しかけないでよ。
私まで注目を浴びた。私、関係ないのに。


「アキト、久しぶり。じゃあ、またね」

私はその注目から逃げ出したくて離れようとしたら腕を捕まれた。
そしてそのまま、引っ張られる。
私達を見る人ごみを掻き分けて小さな居酒屋に入った。


「アズサ、どうせ暇だろ。飲もうぜ」

順番が違いますけど。
許可とってから連れて来てくださいよ。

最初から焼酎のロック。
自棄酒に付き合えってことですか。

まあ、私結構お酒強いから問題ないのも事実なのだけれど。



ほろ酔い気分になってきたところで始まったのは、あの彼女に対するアキトの愚痴。

「でさぁー俺が言ったわけよ、俺は仕事と比べる方がオカシイって」

はいはい、よくある 仕事と私どっちが大事なの?!ですね。

「おまえ、さあ、林檎と梨比べるならわかるけどさぁ。
 パソコンと布団、どっちが大事かきいてるようなもんでしょ?」

意味が分かりません。

「でもさー、俺だったら、たぶん、パソコン選ぶなあ」

結局あんたも選んでるじゃん。

そんなわけでグダグダになったアキトの愚痴を明け方まで聞いてた。
高校のときからの携帯番号は変えてたので一応伝えたりもした。
結局その日の最後は、高校のとき楽しかったよなあって懐かしい話で終わった。


それからだ、アキトが私に電話をかけてくるようになったのは。
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