この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
上野んちの親父が死んだ
第1章

見れば室内はベッドがかろうじて残っているだけで、他の部屋と同様にスッカラカンになっていた。
その時突然ひんやりした風が全身を撫で、ふと視線を上げると、真正面の天井近くに設置された最新型エアコンの吹き出し口が大きく開いていた。
上野を見ると、上野はリモコン片手に、やはり床に視線を落としたままボソボソと呟くように俺に言った。
「ここにある遺品を片付けを、手伝って欲しいの」
上野は部屋の中央に立ちつくし、俺に背中を向けたままそう言った。
今にも消えてしまいそうな、小さくて聞きとりにくい声だった。
「ここを?遺品もなにも・・・もうなんもないじゃん・・・?」
その時突然ひんやりした風が全身を撫で、ふと視線を上げると、真正面の天井近くに設置された最新型エアコンの吹き出し口が大きく開いていた。
上野を見ると、上野はリモコン片手に、やはり床に視線を落としたままボソボソと呟くように俺に言った。
「ここにある遺品を片付けを、手伝って欲しいの」
上野は部屋の中央に立ちつくし、俺に背中を向けたままそう言った。
今にも消えてしまいそうな、小さくて聞きとりにくい声だった。
「ここを?遺品もなにも・・・もうなんもないじゃん・・・?」

