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上野んちの親父が死んだ
第1章  
 開ききった扉の中身は、予想通り、ぎゅうぎゅうに詰め込まれたおもちゃの山だった。
 


「・・・はぁ?変わったのは俺じゃなくてお前だろ?」
「私は何も変わってないよ?変わったのはカッちゃんよ」
「いやいや、お前だって」
「だから私は何も変わってないってば。カッちゃんが私を置いてけぼりにして、どんどん変わってったんじゃない」



 俺は開け放たれたクローゼットの前でくすくす笑っている上野の傍で、上野が放った不穏な空気に気付かないふりをして中身をしげしげと眺めた。

 木製のものからプラスチックに至るまで様々な種類の積み木、豪華なドレスに身を包んだたくさんの着せ替え人形、さまざまな種類のボードゲーム、その他たくさんの玩具。


「・・・うわぁ、すげぇ量だな」
「ふふっ、ほんとだね。こうして見たらすごい量・・・」


 誤魔化すようにして絞り出した俺の言葉に、上野はくすくす笑いながら返答した。


「よく今までとってたよな」
「だってこれ・・・全部お父さんの愛情だもん」


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