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上野んちの親父が死んだ
第1章

「私はいらないって言ったのよ。カッちゃんは外で遊ぶのが好きだからおもちゃなんかじゃ遊ばないよって」
上野はまた、ボードゲームをひとつ手に取った。
クローゼットから抜き取っては放り投げ。
またひとつ手にとっては抜き取って放り投げ・・・。
「でもお父さんは、カッちゃんちはうちほどお金に余裕がないからおもちゃなんてそんなに持っていないだろうって、だから敦美が珍しいおもちゃをいっぱい持ってたら敦美と遊びたがるだろうって、ずっと敦美と友達でいてくれるだろうって」
スッカラカンの室内に落下音が止むことなく続く。
上野は目を細め唇から歯を覗かせたまま、クローゼットから玩具を取り出し続けた。
熱を帯び赤く染まりはじめた頬には、汗で湿った髪の毛がひとすじ張り付いていた。
「でもカッちゃんは・・・うちからお母さんが出てってから、きゅうに私と遊んでくれなくなっちゃった。一緒に帰ろうと思って下駄箱で待ってても私を無視してハヤカワ君たちと帰っちゃうようになったでしょ?話かけたくて気付いて欲しくてずっとカッちゃんを見つめてても、カッちゃんは全然気付いてくれないし」
上野はまた、ボードゲームをひとつ手に取った。
クローゼットから抜き取っては放り投げ。
またひとつ手にとっては抜き取って放り投げ・・・。
「でもお父さんは、カッちゃんちはうちほどお金に余裕がないからおもちゃなんてそんなに持っていないだろうって、だから敦美が珍しいおもちゃをいっぱい持ってたら敦美と遊びたがるだろうって、ずっと敦美と友達でいてくれるだろうって」
スッカラカンの室内に落下音が止むことなく続く。
上野は目を細め唇から歯を覗かせたまま、クローゼットから玩具を取り出し続けた。
熱を帯び赤く染まりはじめた頬には、汗で湿った髪の毛がひとすじ張り付いていた。
「でもカッちゃんは・・・うちからお母さんが出てってから、きゅうに私と遊んでくれなくなっちゃった。一緒に帰ろうと思って下駄箱で待ってても私を無視してハヤカワ君たちと帰っちゃうようになったでしょ?話かけたくて気付いて欲しくてずっとカッちゃんを見つめてても、カッちゃんは全然気付いてくれないし」

