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上野んちの親父が死んだ
第1章

玩具は上野が俺という友達を失わないために与えられた、父親の愛情。
玩具をひとつ、またひとつと手に取るたび背中が冷たくなっていくのはエアコンの冷風のせいだったのだろうか。
どれくらい時間が経ったのだろう。
ようやくクローゼットからすべて中身を取り出したときには、全身疲労感に満ちていた。
玩具のジャングルジムが部屋の中央に出来上がり、俺は目を細めてそれを眺めた。
「まじすっげぇ量。これ、どう整理すんの?」
「全部1階に運ぶだけ。そうしたらあとのことは部下の人がぜんぶやってくれる」
「・・・全部?」
意図せずため息が出た。
そんな俺を上野はくすくす笑った。
「いいよ、私ひとりでするから」
「いやいやいや!さっき言ったじゃん!俺に出来ることならなんでも手伝うって」
「でも・・・」
「つーかもとは死んだ親父さんが上野を経由して俺へ向けてくれた愛情のヤマだろ?友達として責任持って手伝うよ」
「・・・ありがとう」
俺は上野の目を見ないようにして、両手に抱えきれるだけの玩具を抱え、ドアの外へ出た。
玩具をひとつ、またひとつと手に取るたび背中が冷たくなっていくのはエアコンの冷風のせいだったのだろうか。
どれくらい時間が経ったのだろう。
ようやくクローゼットからすべて中身を取り出したときには、全身疲労感に満ちていた。
玩具のジャングルジムが部屋の中央に出来上がり、俺は目を細めてそれを眺めた。
「まじすっげぇ量。これ、どう整理すんの?」
「全部1階に運ぶだけ。そうしたらあとのことは部下の人がぜんぶやってくれる」
「・・・全部?」
意図せずため息が出た。
そんな俺を上野はくすくす笑った。
「いいよ、私ひとりでするから」
「いやいやいや!さっき言ったじゃん!俺に出来ることならなんでも手伝うって」
「でも・・・」
「つーかもとは死んだ親父さんが上野を経由して俺へ向けてくれた愛情のヤマだろ?友達として責任持って手伝うよ」
「・・・ありがとう」
俺は上野の目を見ないようにして、両手に抱えきれるだけの玩具を抱え、ドアの外へ出た。

