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上野んちの親父が死んだ
第1章  
 1階と2階を何往復したのか、記憶にない。
 腕も脚もパンパンになった頃、窓の外は白みはじめていた。


「これくらいでいいよ」


 階段の前でへたばっていた俺は、上野の声に顔を上げた。
 上野は玄関に出来上がった玩具のジャングルジムを見つめながら静かにそう告げた。


「あと何時間かしたら部下の人が来るから。あれくらいの量なら部下の人が残りを運んでくれると思う」
「じゃあもうこれで終わりってこと?」


 上野は視線を変えずに頷いた。
 俺は首を左右に捻ってからやっとの思いで立ち上がり、それから今度は大きく伸びをした。
 

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