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上野んちの親父が死んだ
第1章  
「・・・お願い、もらってよ・・・」


 GIジョーは汗で湿ったタンクトップの胸元に食い込んでいた。
 上野の細い腕は汗で湿り、濡れた産毛がきらきらと光っていた。
 俺は首を横に振った。


「い、いらないって!こんなのくれなくたって俺らずっと友達だろ!?」


 それでもなお、GIジョーは俺の胸元にきつく押し当てられ続けた。
 上野も首を横に振りながら泣いていた。


「・・・ほ、ほら。住所教えてくれたら遊びに行くしさ。もーすぐバイトの金貯まるからビクスク買うんだよ。遠くても大丈夫だから、絶対遊びに行くよ、な?」


 俺はGIジョーを掴んで上野の手から無理矢理取り上げた。
 そしてそれを下駄箱の上に置き、嗚咽しつづける上野の肩を何度か撫でた。
 



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