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上野んちの親父が死んだ
第1章  
「そうだ、上野ラインやってる?やってるなら、」


 上野は泣きながら首を左右に強く振った。
 髪が乱れて、涙で濡れた顔に張り付いている。
 俺の全身は汗でぐっしょり濡れていた。


「やっ・・・てねぇか。じゃあメアド教えてよ」


 もう一度、上野は同じ仕草を見せた。


「じゃ・・・手紙書くよ。俺相変わらず字ぃきたねぇけど、」


 言い終わる前に上野は同じことをもう一度、強い仕草で繰り返した。


 俺は途方に暮れ、顔に浮かんだ汗をタンクトップの裾で拭った。
 じっとり濡れた生地には汗の臭いが沁み込んでいた。


「・・・じゃあ、どーしよっ・・・かぁ・・・」


 全身疲労感でいっぱいだった。
 腕と脚には筋肉痛がじわじわと広がりはじめていた。


 上野は鼻をグスグス鳴らし、ずっと俯いていた。
 
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