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上野んちの親父が死んだ
第1章

「何言ってんだよ!嫌なんだろ?逃げようぜ、友達なんだから深いことは気にすんなよ、俺の仲間の先輩んなかに空手ウン段とかの強い人いっぱいいるから、追いかけてきても頼んでボコッてもらうよ。だから逃げよう、お前はこの、部下の人ってのと家族になんのは嫌なんだろ?」
それでも上野は首を横に振り続け、廊下の奥に向けた人差し指を下げようとしなかった。
チャイムの音、ドアを叩く音、上野を呼ぶ中年男の音。
床の上に散らばった玩具。
玩具で出来たジャングルジム。
「大丈夫だって、うちの父さん町内会役員だから警察の知り合いとかいっぱいいるし、だからまぁ俺も悪いことしたらヤバイんだけどさ・・・ってそんなのどうでもいいよな、とにかく上野のこと守ってくれるって、それに母さんも上野のこと心配してるから・・・つうか!なんならうちの家族になれよ!うち共働きだし俺もバイトしてるから上野ひとりくらい食いぶちが増えたってなんとかなるよ、つうかなんとかするよ!」
死んだ上野の親父の愛情が、混ざり合った空間で。
それでも上野は首を横に振り続け、廊下の奥に向けた人差し指を下げようとしなかった。
チャイムの音、ドアを叩く音、上野を呼ぶ中年男の音。
床の上に散らばった玩具。
玩具で出来たジャングルジム。
「大丈夫だって、うちの父さん町内会役員だから警察の知り合いとかいっぱいいるし、だからまぁ俺も悪いことしたらヤバイんだけどさ・・・ってそんなのどうでもいいよな、とにかく上野のこと守ってくれるって、それに母さんも上野のこと心配してるから・・・つうか!なんならうちの家族になれよ!うち共働きだし俺もバイトしてるから上野ひとりくらい食いぶちが増えたってなんとかなるよ、つうかなんとかするよ!」
死んだ上野の親父の愛情が、混ざり合った空間で。

