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第1章 　

　上野とは高校も同じだった。

　

　上野は中学と変わらず、高校生になっても友達がいなかった。
　顔にも髪にも身なりにも必要以上の手をかけず、まるで影と同化するかのように、じっと俯いて暗い表情で黙ってやり過ごしているようだった。



　時々校内で上野を見かけても、やっぱり俺は上野に声を掛ける勇気がなかった。




　時々廊下や下駄箱で俯いて歩く上野とすれ違うたび、昔は明るくて面白い子だったのにって思って胸が痛んだ。



　それでも俺はどうしても上野に声を掛けられなかった。



　なぜかっていうと、高校に入って出来た新しい仲間の1人が上野と同じクラスで、「うちのクラスに上野ってゆーキモイ女子がいてさぁ」と笑ったからだ。