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上野んちの親父が死んだ
第1章  
 でも俺は一度も答えなかった。
 小さい頃みたいに「なに?アッちゃん!」って答えることを、俺はしなかった。
 気付いてたのに、出来なかった。


 そのうち俺は、すれ違いざまに上野の姿を目で追うことすらしなくなった。
 というより、俺のほうが学校に行かなくなったんだから、校内ですれ違うこともなくなった、といったほうがいいだろう。


 仲間の紹介でデキた生まれて初めての彼女は隣町に住んでる子で、高校には通ってなかった。
 その代わり俺の知らない楽しい遊びをたくさん知っていて、俺はその子好みの男になりたくて、懸命に努力してたんだ。
 例えばその子が欲しいと言えば店から盗んできたり。
 原付で2ケツして明け方まで街を徘徊したり。
 そういう、虚しい努力を。
 


 夏休みに入った頃、母さんの口から「留年」とか「将来」とか、そんな不穏な単語が頻繁に飛び出るようになった。
 それでも俺は彼女や仲間との遊びが楽しくてろくに聞いちゃいなかった。



 母さんが泣いても、父さんに殴られても、生活を変えることはなかった。
 楽しい自分のままでいたかったからだ。


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