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甘い風
第10章 戸惑い

(やっぱかかってこないか…)
バルコニーで煙を吐きながら翔は考える
(結局電話はわかっててもアイツから連絡ないし、俺からかけるのは子供みたいだって思われるのもイヤだし…)
まだ帰ってこない桜子に想いを巡らす
火を消しダイニングへと
CDを眺め
(メロコア、パンク、ハードコア、ロック、クラシック、タンゴ、テクノ、ハウス、ボサノバ…なんか何でもあるんだなぁ。今までどんな生き方だったんだろ…ボサノバでもかけるか…)
CDを流し
テレビの映像だけつけ
ソファに横になる
携帯が鳴り
画面には
[親父]
(なんだろ、オヤジかぁ)
「もしもし」
「翔か?」
「うん、何?」
「お前、ちゃんと会わせろ」
「何が?」
「何がって、彼女の家に転がり込んでるんだろ?」
「うん」
「彼女にちゃんと会わせろ」
「うん、彼女働いてるからさ、いつがいいか聞いておくよ」
「夜なら空いてるだろ?」
「うん、多分」
「じゃ来週水曜日に夜連れてこい」
「わかった、言っておく」
「じゃ」
あっさりと電話は切られた
(桜子、会ってくれるかなぁ…)
心地よく音楽は流れ
彼はいつしか眠りに落ちていた
「ただいまー」
返答はなく灯りがキッチンから漏れている
(翔いるのね)
キッチンへと向かい
ダイニングソファで寝ている翔
そっと彼の唇に唇を
「ん?桜子?お帰り」
瞼を開け
上から唇を重ねる彼女を抱き寄せ彼の横へ
彼女も同じように横たわり
「ただいま。ボサノバ、よく眠れるでしょ」
「うん、気持ちいい。電話してくれれば迎えに行ったのに」
「うん、ありがと。でもメンドクサイでしょ」
「めんどくさくない。桜子の顔早く見たいもん」
「ありがと。ご飯、今日はエビチリにしまーす。海老買ってきた。あ、辛いの食べないんだっけ?」
「馬鹿になるから?」
「そうそう」
「桜子が作るなら何でも食べる」
「じゃ、仕度しよーっと。着替えてくるね」
さっさと起き上がり
キッチンを出ていく彼女
「俺も着替えようかなぁー」
クローゼットで下着になりガウンを羽織る桜子
ーーパタンーー
「セーフ」
扉の閉まる音で翔が入ってきたことに反応する
「何がセーフなの?」
彼女を後ろから抱きしめ
彼女の長い髪を後ろへ流しながら
細い首へ唇を這わせる
バルコニーで煙を吐きながら翔は考える
(結局電話はわかっててもアイツから連絡ないし、俺からかけるのは子供みたいだって思われるのもイヤだし…)
まだ帰ってこない桜子に想いを巡らす
火を消しダイニングへと
CDを眺め
(メロコア、パンク、ハードコア、ロック、クラシック、タンゴ、テクノ、ハウス、ボサノバ…なんか何でもあるんだなぁ。今までどんな生き方だったんだろ…ボサノバでもかけるか…)
CDを流し
テレビの映像だけつけ
ソファに横になる
携帯が鳴り
画面には
[親父]
(なんだろ、オヤジかぁ)
「もしもし」
「翔か?」
「うん、何?」
「お前、ちゃんと会わせろ」
「何が?」
「何がって、彼女の家に転がり込んでるんだろ?」
「うん」
「彼女にちゃんと会わせろ」
「うん、彼女働いてるからさ、いつがいいか聞いておくよ」
「夜なら空いてるだろ?」
「うん、多分」
「じゃ来週水曜日に夜連れてこい」
「わかった、言っておく」
「じゃ」
あっさりと電話は切られた
(桜子、会ってくれるかなぁ…)
心地よく音楽は流れ
彼はいつしか眠りに落ちていた
「ただいまー」
返答はなく灯りがキッチンから漏れている
(翔いるのね)
キッチンへと向かい
ダイニングソファで寝ている翔
そっと彼の唇に唇を
「ん?桜子?お帰り」
瞼を開け
上から唇を重ねる彼女を抱き寄せ彼の横へ
彼女も同じように横たわり
「ただいま。ボサノバ、よく眠れるでしょ」
「うん、気持ちいい。電話してくれれば迎えに行ったのに」
「うん、ありがと。でもメンドクサイでしょ」
「めんどくさくない。桜子の顔早く見たいもん」
「ありがと。ご飯、今日はエビチリにしまーす。海老買ってきた。あ、辛いの食べないんだっけ?」
「馬鹿になるから?」
「そうそう」
「桜子が作るなら何でも食べる」
「じゃ、仕度しよーっと。着替えてくるね」
さっさと起き上がり
キッチンを出ていく彼女
「俺も着替えようかなぁー」
クローゼットで下着になりガウンを羽織る桜子
ーーパタンーー
「セーフ」
扉の閉まる音で翔が入ってきたことに反応する
「何がセーフなの?」
彼女を後ろから抱きしめ
彼女の長い髪を後ろへ流しながら
細い首へ唇を這わせる

