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甘い風
第12章 揺れる

そこには
【別れの曲】
と題されたCD
静寂に響き渡るピアノの音
ソファーに並んで身体を沈め
彼は彼女の肩に腕をまわす
ゆっくりと引き寄せ
彼女の髪にキスをする
「この曲知ってる」
翔は桜子の額に唇を落としながら
「有名だからね、この曲」
彼の胸に顔を埋める
ピアノの音に酔いしれ
二人は静かな時を過ごす
しばらくするとスヤスヤと寝息をたてている桜子
「寝たか…」
しばらくそのままにしていると
彼の胸の辺りが生暖かく湿り気を帯びていることに気付く
「泣いてるのか?」
彼女の肩をソファーの背もたれへ
桜子の顔を覗くとツーっと流れる涙の筋
(何に涙をしているんだ?アイツを想って泣いているのか?夢でも見てるのか?)
「桜子、風呂入ろう」
彼女の肩を抱きしめるが桜子は起きない
「桜子?」
「酔ったのか…」
彼女を抱き上げベッドルームへ連れていく
彼女は起きることなく
スヤスヤと寝息をたてたまま
桜子の着ている服を脱がせ
下着姿の彼女にそっと毛布をかけた
(風呂入るか)
バスルームへ
衣服を脱ぎ
シャワーを頭から浴びる
前だけが長い翔の髪をザーザーと温かい湯が流れていく
(真田啓二、俺はあんな男に負けない。
桜子の孤独は俺が埋めてやる。
アイツに桜子を絶対渡さない。
桜子は何故泣いてるんだ。
想い出に涙しているのか?
俺は彼女を泣かせない
可愛い笑顔だけを桜子に与え続けていたい)
翔は今日のケイジの全てを消し去るように
全身を洗い流した
ベッドルームへ戻ると
毛布にくるまるように
丸まり横向きに寝ている桜子
その姿が愛らしく
ベッドに腰を下ろし
彼女の長い髪を背中に流すように指を通す
「…翔…」
「起こしちゃった?」
「ううん、大丈夫」
「桜子、顔を洗っておいで」
「…ん?」
意識を顔にむけると
(泣いてた?私)
「やだ、行ってくる」
慌ててバスルームへ駆け込む桜子
その姿にいてもたってもいられず翔もバスルームへ
「一緒に浸かろう」
桜子に優しく声をかける
頭からシャワーを浴びている彼女を眺め
湯槽へ身体を投げ出す
シャワーを止め
恥ずかしそうに身体を腕で隠しながら
翔の元へ
「おいで」
彼の太股の間に
背中を向けて入ってきた桜子を後ろから抱き締め
彼女の肩に
髪を上げた首筋に
唇を落としていく
【別れの曲】
と題されたCD
静寂に響き渡るピアノの音
ソファーに並んで身体を沈め
彼は彼女の肩に腕をまわす
ゆっくりと引き寄せ
彼女の髪にキスをする
「この曲知ってる」
翔は桜子の額に唇を落としながら
「有名だからね、この曲」
彼の胸に顔を埋める
ピアノの音に酔いしれ
二人は静かな時を過ごす
しばらくするとスヤスヤと寝息をたてている桜子
「寝たか…」
しばらくそのままにしていると
彼の胸の辺りが生暖かく湿り気を帯びていることに気付く
「泣いてるのか?」
彼女の肩をソファーの背もたれへ
桜子の顔を覗くとツーっと流れる涙の筋
(何に涙をしているんだ?アイツを想って泣いているのか?夢でも見てるのか?)
「桜子、風呂入ろう」
彼女の肩を抱きしめるが桜子は起きない
「桜子?」
「酔ったのか…」
彼女を抱き上げベッドルームへ連れていく
彼女は起きることなく
スヤスヤと寝息をたてたまま
桜子の着ている服を脱がせ
下着姿の彼女にそっと毛布をかけた
(風呂入るか)
バスルームへ
衣服を脱ぎ
シャワーを頭から浴びる
前だけが長い翔の髪をザーザーと温かい湯が流れていく
(真田啓二、俺はあんな男に負けない。
桜子の孤独は俺が埋めてやる。
アイツに桜子を絶対渡さない。
桜子は何故泣いてるんだ。
想い出に涙しているのか?
俺は彼女を泣かせない
可愛い笑顔だけを桜子に与え続けていたい)
翔は今日のケイジの全てを消し去るように
全身を洗い流した
ベッドルームへ戻ると
毛布にくるまるように
丸まり横向きに寝ている桜子
その姿が愛らしく
ベッドに腰を下ろし
彼女の長い髪を背中に流すように指を通す
「…翔…」
「起こしちゃった?」
「ううん、大丈夫」
「桜子、顔を洗っておいで」
「…ん?」
意識を顔にむけると
(泣いてた?私)
「やだ、行ってくる」
慌ててバスルームへ駆け込む桜子
その姿にいてもたってもいられず翔もバスルームへ
「一緒に浸かろう」
桜子に優しく声をかける
頭からシャワーを浴びている彼女を眺め
湯槽へ身体を投げ出す
シャワーを止め
恥ずかしそうに身体を腕で隠しながら
翔の元へ
「おいで」
彼の太股の間に
背中を向けて入ってきた桜子を後ろから抱き締め
彼女の肩に
髪を上げた首筋に
唇を落としていく

