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甘い風
第2章 愛って何でしょうね?
カツカツとヒールを鳴らしながらオフィスへ戻ると

「桜子さん、大丈夫ですか?」

「どーした?桜子ちゃん、大丈夫かい?」

「桜子ちゃん、大丈夫?」

「桜子さん、大丈夫ですか?病院は?」

次々と皆が心配そうに口にする


「ちょっと貧血になっちゃって、もう大丈夫です。ご心配おかけしました!遅れてすみません、ただいまー!」
頭を下げ
席につく

「里優ちゃーん、ありがとねー!またご飯一緒に行こうね!」

「とんでもないですっ、お帰りなさい!はいっ、行きましょう!」

そんな桜子を見下ろしながら、
「無理しないでくださいね、明るい元気な桜子さんじゃないと僕、つまらないですから」

「人のこと見下ろすのやめてくれる?」

「桜子さん立ってても座ってても変わらないじゃん!いつもチビじゃん!」

「この減らず口がっ!」


「良かったー!いつもの桜子さんに戻ったぁ!」
里優が、ぱぁっと明るい表情を取り戻した

「さ、仕事仕事ー!君、席について仕事にもどりたまえよ、バイト君」

「ハイハイ、言われなくてもやりますよーだ、ほんと、ムカつくー」
くるりと背中を向け自席に向かう翔に
ベーッと舌を出す桜子

周りの大人らしい大人たちは笑いながら見守っていた
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