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甘い風
第5章 ハマる
「じゃ、行ってきます!」
振り返ると
翔に抱きしめられ
「行ってらっしゃい」
唇にキス

彼が腕を放すと

鞄を持って
「じゃぁね!」

扉の向こうにーーパタンーーと消えていった


桜子のいない空間が彼に寂しさを与える

(今日どうしよーかなー)

ベッドルームに戻り
ドサッとベッドに倒れる

(あ、携帯…)

起き上がり
昨夜脱ぎ散らかしたボトムをベッド下から取り
携帯をポケットから取り出す
一通りメールやラインに目を通し
寝転がり
携帯を頭上に置く
真っ白な天井をぼーっと見つめる

(あ、俺、あいつの携帯、知らない…)

再び携帯を手に取り
アラームをセット
邪魔そうに頭の横に置くと
瞼を閉じた



扉から飛び出した桜子は腕時計を慌ててはめながら
時間を確認する
(よし、大丈夫!)

清楚なスーツを身に纏った彼女は
何度か髪に指を通し
小走りで街を抜け
…カツカツカツカツ…と会社へと向かった



ーーピピピピーピピピピーー
「んーっ」

携帯を取りアラームを消す翔

『貴方と一緒にいる感じがいいかなー』
シャワーを浴びない理由を言う彼女を思いだし

「なんか、おもしれーなー」

立ち上がり彼もシャワーを浴びないまま
服を拾いながら着ていく

(家帰るか)

ドレッサー前の椅子に沿うように転がるボトルを掴み
荒々しくキャップを捻る

…ゴクン…ゴク…ゴク…

朝の口移しを思い出しながら
一気に飲み干す
(エロいよなぁ)

サイドテーブルから鍵を取り
ポケットへ

ベッドの上のバスタオルをソファに掛け
部屋を後にし
キッチンと思しき部屋へと向かう

真っ白いドアを開けると
無機質な空間に
1輪の赤い薔薇が目に留まる

ガラスのテーブルの上に銀色の細い一輪挿し
天を仰ぐように赤い花弁が広がっている

「いい女だよなぁ、あいつ」

そう言葉にし
キッチンを出ていく

ぽつんと残された廊下の鞄を持ち上げ
玄関へ

転がる靴を履き
「行ってきまーす」
呟き外へ出た

(上の鍵…)
ポケットから取りだし
カチャンと音をたてロックした

エレベーターで階下へ
建物の外へ出る手前で
人の気配を感じる
目をやると
きちんとした身なりをした紳士が
「おはようございます」
笑顔で挨拶をしてくる
ニコリと笑みを向け
「おはようございます」

(あの人がコンシェルジュか…)
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