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甘い風
第2章 愛って何でしょうね?
(何か飲みたいなぁー)
仕事からの帰り道、桜子は行き付けのバーに吸い込まれるように歩みを進めた

―――カラーン―――
扉を開けると同時に飾りの鈴が鳴り響く

「今日も疲れたー」
「お帰り、桜子ちゃん」
「何かスッキリした白ワインが飲みたいなぁー」
「今日、ちょうどいいのを仕入れたんだ!」

桜子はジャケットを脱ぎハンガーに掛け
ごちゃごちゃと小物が飾られた、いつもの席に着く

横に置いた鞄から
携帯とタバコ、ライターをコトンとカウンターの上へ

「それ、1本ちょうだい」
「かしこまりました」

ここのバーは全てがかしこまりすぎず好きだ

コノテの洒落た飲み屋はダサいのに格好つけた輩が多い――店員も客もたいがい――


マスターは冷蔵庫から透明に近い水色のボトルを取りだし
コースターとグラスを桜子の前に用意する

キャップをバリバリと外し
クルクルと蓋を外す

(男の人の綺麗な指先の所作ってやっぱりいい)

トクトクトク

綺麗な手つきでグラスに注ぐ
「はい、どうぞ。桜子ちゃん、今日もお疲れ様。」
「はーい、いただきます」

薄い硝子に唇を添え
スーっと香りを感じながら
一口
コクリ



「マスター、このワイン、スッキリ!微発泡?」
「そ。これはね、緑のワインっていう意味のお酒なんだよ」
「確かにスッキリしててフレッシュな緑の季節に合うわね」
「そう」

2杯、3杯と飲み進めるうちに桜子はいつもの寂しい病を発症していた

目の前にある携帯を手に取ると先日の枕男にラインする

<何してる?>
ティンローン♪
<ん?どうした?>
<いつもの店で飲んでるんだけど>
ティンローン♪
<そう!んじゃあと30分くらいで行くね!>

(犬がシッポ振って来る...か...)

「マスター、友達が一人後で来るって」

「了解」

「初夏にピッタリね、これ」

「真夏もいいよ、なかなか」

「う~ん、もう1本いっちゃおうかなー」

「明日も仕事でしょ?」

「うん」

「いつでもコレ、入れておくから、慌てずにまたにしたら?」

(大人のご意見かぁ。そうだなぁ、確かに明日朝早いし)

「そうだね、ご馳走さま」

「はい、ありがとうございます。」

(あ、あの犬男、呼んじゃったなー、ま、いっか..)
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