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甘い風
第9章 視線
エレベーターに桜子が乗り込むと
「間に合った!」

「桜子さん、私も一緒に」

「僕も」

翔より10センチくらい小さい野沢、桜子よりも少し小さな里優、翔

「なんなの?この囲み!今日はコンビニでいいかなーって思ってたんだけど」

「えーっ!ランチ一緒にしましょうよー」
里優

「えーっ!やだ、こんなに引き連れて本物の桃太郎になっちゃうじゃないっ」
桜子

「桃太郎ってほんと古っ」
翔がニヤニヤしながら

「うるさい!クソガキ!」
ーーチーンーー
「えーっじゃあ、私豚骨ラーメン食べたいから、それでいい人だけ来れば?」

「桜子さん、その指環!何ですか?」
いち早く里優が見つけた

「プレゼントで頂いたの」

「ちょっ薬指!しかも左手って!婚約したんですか?」
興味津々の里優

「いや、そういうのじゃなくて、頂いたの」

「えーっ朝、喫煙所で、将来約束した人からもらったって僕に言ってたじゃないですかー」
翔が詰める

野沢が
「いつなの?将来って」

「お腹すいたー!さ、入ろ入ろ」
桜子はカツカツとラーメン屋に入っていく

ざわざわと昼時のサラリーマン達が彼女を見詰める

「四人!」桜子は店員に告げるとさらに続けて「豚骨チャーシュー!」

「同じの!」
「同じで」
「同じでお願いしまーす」

「桜子さん、彼氏できたんですか?」
笑顔の里優

「うん」
真顔の桜子

「え?いつ?」
野沢

「先週!」

「一週間で婚約ですか?」
里優は驚いた顔

「えーっ」
野沢


「お待たせしましたー」
四つの豚骨チャーシューをそれぞれ食べ終えた



オフィスへ他愛ない会話をして戻ると
「来週金曜の飲み会、桜子さんの彼氏さんも連れてきてくださいよー」
里優が純粋な言葉を投げ掛ける

「うん、聞いておくねー」

「確かに僕も会ってみたい」
真面目な顔で片山がぼつりと言った

ニヤニヤしている翔はそのままデスクへ戻っていった

(さ、何も考えず、仕事だわ…)

あっという間に時は過ぎる



「あーっ疲れたー!お先に失礼します!」
カツカツと帰ろうとする桜子に
片山が
「午前の案件、さんきゅな!お幸せにー!」
左の薬指を指差しオフィス中に声が響いた

「ありがとう!また明日ー」
足早に帰る桜子

翔もまた
「お疲れ様でした!お先に失礼します!」
大きなリュックを背負い走っていった
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