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甘い風
第10章 戸惑い
「行ってきます!」
翔は片手で桜子を抱き寄せ
唇に優しく自身の唇を重ねる

「いってらっしゃい!12時半な」

「おけ!駐車場ね!後でねっ」
ためらいなく彼女は扉の向こうへ消えてゆく

彼は日課のバルコニーへ
振り返ることもない彼女の背中を眺め
いつものように煙を吐く

(今日も色っぽいなぁ)
白に近い水色のスーツに身を包んだ彼女を見送る

(さ、行くか。仕度すっか)

濃紺デニムに白地に紺のボーダーボートネックカットソー
グレーのニットジャケットを上品に着こなし
荷物と二個のヘルメットを持って出掛けてゆく

ドクドクドクとエンジンを鳴らし
颯爽と大学へと向かった




「おはようございます!」
桜子はカツカツといつも通りにオフィスへ

(12時目安でやっつけとかないと)
カタカタと仕事に没頭




ドクドクドク
大学校内へと着いた翔
ヘルメットを脱いだと同時に
「よっ!翔ちゃん、奇遇だねぇ」
タケルが声を掛けてきた

「タケル、おはよ」

「また寝不足?」

「ちげーわ、ちゃんと寝たわ」

「ふぅん」

「今日、彼女学食に連れて来る」

「まじで?」

「12時半過ぎだなぁ」

「まっじか!?すげー楽しみっ!」

「お前の女じゃないんだから、勝手に楽しむなよ」

「見せつけたいんだろ、結局は」

「お前が会わせろって言ってただろ」

「まぁな、確かに会ってみたいよ、翔ちゃんがどんな女に行き着いたのか」

「俺の昔話は絶対にすんなよ、タケル」

ミディアムボブの前髪をかきあげながら
「んなもんするわけねーだろーが。百戦錬磨よ、俺」

「まぁな」

ーーガラガラーー

「教授来たよ。お勉強に勤しみましょうね、タケルちゃん」

「やべー、ほんとくそつまんねーんだよなぁ」





カタカタカタ
「はい、終了!じゃ、お昼行ってきます」

「桜子ちゃん、飯行くか?」

「片山ちゃん、今日は予定があるのよ、またね」
左手をヒラヒラとさせ去っていく桜子

「了解。またなー」

カツカツとオフィスを後にする桜子
(子供達の群れの中、どんな顔して行けばいいんだろ)



ドクドクドク
(まだいないか…)

カツカツカツ
「おまたせ」

「行こ」

「うん」


ドクドクドク


(あれ?桜子ちゃんだよな、あのスーツ)
片山はエントランスでハーレーが過ぎ去るのを眺めていた
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