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月 ~優香~
第29章 健一の証 〜優香〜
「眠り姫。そろそろ起きて。」


唇に温かくて柔らかいものが重なる。

目を開けると、目の前に健一の笑顔があった。



「私。いつの間に寝てたの?

起こしてくれたらよかったのに。」



「大丈夫。時間はたっぷりあるから

でも、お腹すいたでしょ。一緒に風呂に入ろう。」


 きゃっ。


健一が私をお姫様だっこして、バスルームへ運ぶ。


「やだっ。歩けるから。降ろして。」

「なんだか、最初に会ったときみたいだな。

あの時も、おんなじこと言った。」



そう言えば、健一は初対面で、私を担ぎあげて、大学の廊下を医務室へと運ぼうとしたっけ。。。

私は思い出しながら、健一を下から覗き見る。

整ったあごのラインから、綺麗に突き出た唇。

すっと伸びた鼻筋に、大きな目。



本当にかっこいいな。





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