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君へ贈る愛の唄
第4章 相合い傘
それから植物園へ行き、きれいな花々をゆっくり観賞した後、今度は遊園地広場へやって来た。
「母さん、バイキング乗ろうよ」
「こわいからいいよー。拓也、1人で乗って来て?」
「だーめ。何事も経験だって!」
ーーーー
「大丈夫?」
「気持ちわる…吐きそ」
しゃがみこんで苦しそうな拓也の背中を、さする私。
くすっ。私より全然弱いじゃない…。
いつも俺様な拓也が、なんだかかわいいの。
しばらくして拓也の体調が回復すると、また動物を見に行った。
ん…この強い視線はなんだ??
私は辺りをキョロキョロ見渡した。
ふと目が止まった先…それは
ゴリラの檻。
「っ」
視線はそこから感じた。
「拓也、私ゴリラが見たい」
「いいけど」
私達は檻の真正面に立った。
寝そべっていたゴリラが、むくっと起き上がった。
私達を見て、お腹を両手で交互に力強く叩き始める。
「きゃ〜面白いね!威嚇してるのかな」
「ああ」
そのゴリラは、不自然なほど動きが大げさだった。
「おい母さん見ろよ、ゴリラがダンスを始めたぞ!」
「ええ〜っ!?」
その後私達は大爆笑で、そのパフォーマンスに見入ってしまったのだ。