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君へ贈る愛の唄
第8章 一歩前進
その後オレは休憩しに飲み物を買い、どこに座ろうか見渡していると…。
「ここいいかな?」
オレは1人で座っていた山本さやかに声を掛けた。
「ど、どうぞ」
この前の事を気にしているのか、彼女は少しぎこちなかった。
「山本さんは確か、大学1年だったよね?」
「はい、そうです…」
「何を専攻してるの?」
「介護福祉です。私、将来は施設で働きたいので」
「ふーん、そうなんだ。じゃあ、もっと食べて太らなきゃな」
「え、太る?」
「うん。だって介護の仕事なら、体力勝負だろ?キミ細すぎだからさ」
「…っ」
さやかは紙パックのストローを、俯きかげんで吸った。