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君へ贈る愛の唄
第9章 あやまち
写真の男性はスーツ姿に七三分けをした、とても真面目そうな人だった。
義母は、にこやかに話を続ける。
「公務員だから、何不自由ない暮らしができるわよ」
「待って下さい、お義母さんっ…」
さっきまでのウキウキ気分は、どこかへ吹き飛んでしまった…。
「私、彩音さんには本当に申し訳ない気持ちで一杯なの。修二が再婚してまもなく、重い病気にかかってしまって。看護と育児の両立で、大変な苦労をさせてしまったんですもの…」
「苦労だなんて私、思っていません」
「だからあなたにはどうしても幸せになってもらいたいのよ」
「あの私なら拓也と2人で、毎日楽しく暮らして幸せですから。お見合いなんて…したくありません!」
「彩音さん。私が言いたいのはね」
「え?」
「ズバリ、言うわよ?」
ゴクッ
「は、はい。お義母さん…」
「あなた達に恋愛感情が生まれるのを、畏れているのよ」
「…っ!!」