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君へ贈る愛の唄
第9章 あやまち
拓也side
「ただいま〜。あれ母さん、誰か来てるの?」
オレはキッチンに立つ母さんに声を掛けた。
「お帰り拓也。
あのね、おばあちゃんがいらしてるの」
「えっ、ばあちゃんが!?」
なんとなく、母さんの様子がおかしくみえた。
「顔色悪いけど、大丈夫?」
「そ、そう?なんともないけど…」
母さんがまた野菜を切り始めたから、とりあえずオレはリビングへ行った。
「ばあちゃんいらっしゃい!どうしたの?突然」
「たくに会いに来たんじゃないの〜!すっかり大きくなって、見違えちゃったわ」
久しぶりに見る祖母はとても元気そうだった。
まさか母さんと、そんな話し合いをしていたとも知らずに
オレは笑っていたんだ。