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君へ贈る愛の唄
第9章 あやまち
拓也side
オレは祖母と布団を並べて寝た。
明かりを消した暗がりの部屋は、急に静けさが漂う。
先に口を開いたのは祖母だった。
「…ねえ、たく?」
「なに?ばあちゃん」
「お母さんの事だけど」
「え、母さんがどうしたの?」
「そろそろ、自由にしてあげてもいいんじゃないかしら」
「それ、どういう意味?」
初めは祖母の言葉がよくわからなかった。
「今日彩音さんにお見合いを勧めたわ。だって彩音さん、まだまだ若いんだもの。このまま独身でいるのはもったいないと思うの」
「お見合いっ!?」
「彩音さんね、一度相手の方に会ってみるって言ってくれたわ」
「えっ」
そうか…
さっきから母さんの様子がおかしいと思ったのは、これだったんだ。