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君へ贈る愛の唄
第1章 ママっ子男子?

「ありがとうございました!」

会計が終わって帰ろうとすると…

「あのっ、ここへはどうやって来られたんですか?」


さっきのイケメン店員さんだった。

「…えっと、歩いて来ましたけど?」


「それじゃあ、車でお宅まで運びましょう」

「い、いいえ大丈夫です」

「遠慮なさらずに。さっ、こちらへどうぞ」

「でも…」

ーーーー

結局私は、イシダ電機の軽自動車に乗っていた。


「時々いらっしゃってますよね?」

「ええ…」

私は隣の店員さんをチラッと見た。目が合うと、彼はニコッと笑った。

「っ…」

サラサラの髪に、八重歯が時折見える爽やかな感じの人。


何度か拓也と来た事があったけど…
さすが店員さんだな、よく見てる。

「僕は店長の羽多野
(ハタノ)と言います。よろしくお願いします」

「っ、店長さんだったんですか!?」

「見えませんか?ははは」

「いえ、そんなお若いのに店長なんて、すごいなって」

「すごくないですよ」

ーーーー


「わざわざ運んでもらって、すみませんでした」


私は家に着くと店長さんに深く頭を下げた。

「僕の方こそ、あなたとお話できて楽しかったです」
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