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愛の儀式/私を調教(おと)してください
第5章 初めての調教

 「おいで───自分がどんな姿か見てごらん」

 謙二の誘いに窓際へと歩く。
大きな窓に、首輪をした淫らな私がうっすらと浮かんだ。
「い、いや……」
 羞恥に耐えかね視線を逸らす。
首輪をするなんてもちろん初めて。
そんな惨めなこと考えたこともない。
でも私、自分の惨めな姿を見てドキドキしてる。

 「恥ずかしいのかい?美穂────でも、今から君はもっと恥ずかしいことをするんだよ……。覚えているかい?昨日、僕が言ったことを────」

 背後に映る謙二の声が身体を撫でる。
電話の声と同じ……優しくてやらしい声──────
うん、と頷き窓に映る謙二の顔を見た。

 空調設備のエンジニアだという謙二は、私のイメージ通り細身で背が高く、清潔で優しそうな顔をしていた。
私……今までこの人に─────
謙二との毎夜の行為を思い出すと泣きたくなるほど恥ずかしくなる。

 「ほら、答えてよ。美穂はこれからどうするのか───」
 「わ、私……」

 息が乱れ言葉に詰まる。
覚えてる、わかってる……私がこれから何をするのか。
謙二の前で服を脱ぎ……四つん這いで────
いやっ……やっぱり恥ずかしい、恥ずかしいよ────

 「言えないのかい?悪い子だね……。でもいいよ、最初だから許してあげる───。じゃあ、僕の指示通りにするんだよ、できるよね?美穂────」

 はい、と答え窓を見る。
私から遠ざかり、ソファーに腰を降ろす謙二が映っていた。
  
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