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透明な鎖
第1章 被虐性愛
渚先輩は、あたしが高校1年生の時に付き合っていた人だ。
その時先輩は3年生で、結局1年も続かないまま、先輩が卒業する前に別れてしまった。
その後、進学したのか、就職したのか、それすらも知らなかったのに……。
こんなところで会うなんて……。
「愛奈!またぼーっとしてる。次愛奈だよ」
莉緒にそう促され、周りの注目があたしに向いていることに気がつく。
「……あっ、えっと、神崎愛奈……今年21歳、です」
そう言い終わった後、バレない程度にチラッと渚先輩の方を見たが、先輩は顔色ひとつ変えず、こっちを見ていた。
……やっぱ、忘れてるよね。
あたしが意識しすぎなんだ。