この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
透明な鎖
第1章 被虐性愛
ホテルの部屋に着いた瞬間、あたしは玄関に座り込んだ。
「……お前、せめてベッドまで頑張れよ」
先輩がそう言って、あたしの身体に手を回し、軽々とお姫様抱っこしてくれた。
「先輩……あたし、重いから……」
そこまで言って、ハッとする。
せっかく気付かれてなかったのに、先輩なんて言ったらバレてしまう……。
「え、なに?先輩?」
……やっぱり、気づいてないの?
「なんでも、ないです……」
……ほんとに、あたしのこと忘れてるんだ。
それはそれで、悲しい気もしてしまう。
「……なんて。忘れてるわけねぇだろ」
先輩のその言葉とともに、あたしはベッドに降ろされた。