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透明な鎖
第1章 被虐性愛
でも、先輩……。
あたし、もう楽しむ余裕なんてない……。
「あぁ……っだめっイッちゃうぅぅう」
もう、限界──────。
「いいよ、愛奈」
先輩にそう耳元で囁かれ 、あたしの意識は飛んだ。
頭が真っ白になって、先輩の背中に回した手が脱力し、ベッドの上に落ちた。
「勘違いすんなよ。まだ終わりじゃねぇぞ」
瞳を閉じてしまいそうになったあたしの頰を、先輩が引っ張る。
「俺、イッてないんだけど」
繋がったままの身体。
まだ余裕そうな先輩。
5年間の隙間を埋めるように、あたしたちは何度も身体を重ねた。
何度も意識を飛ばされ、体力が限界に近付く頃、あたしはようやく眠ることを許された。