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透明な鎖
第1章 被虐性愛
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こんな日の朝は、必ず虚しさも一緒に連れてやって来る。
酔った勢いで、先輩とあんなこと……。
夢じゃないかと思ってみても、隣には確かに先輩が、気持ち良さそうに寝ている。
「はぁ〜……」
ため息が溢れる。
でも、ほんとにあれは、酔った勢いなんだろうか。
あたしも確かに、先輩が欲しいと思った。
付き合っていた頃とは違う先輩に、不覚にも少しキュンとしてしまった。
……だけど。
そんなこと、どうでもいい。
どうでもいいくらい……
気持ち悪い。
完全に、二日酔いだ……。
頭はガンガンと痛みを訴え、胸はムカムカと吐き気までする。
原因はわかる。
どう考えても、昨日は飲みすぎた。
でもそれだって、渚先輩の所為だ……。