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透明な鎖
第1章 被虐性愛


「はぁ……」


……それはそうと、気持ち悪い。
二日酔いってこんなに辛いものだったのか。


部屋のテレビの前に配置されたソファに腰を下ろす。

窓のないこの部屋は、朝なのにまるでまだ夜みたいだ。


ソファの上でボーッとしていると、ベッドからガサガサと音がする。


「……おはよ」


……先輩、起きたんだ。

まだ眠そうな先輩が、もぞもぞと起き上がる。


「おはよう…ございます」


「……夢かと思った」


「あたしもです……」


一緒のこと考えてる……。

なんだか気まずい。
ほんとに、何を話せばいいのかわからない。


「あ、烏龍茶……」


先輩が、テーブルの上に置かれた烏龍茶の存在に気づく。


「なんか、二日酔いっぽくて……。すみません、勝手に……」


「バカ。お前昨日飲み過ぎなんだよ。俺にもちょうだい」


そう言って、先輩が片手をこちらに差し出した。





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