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透明な鎖
第2章 秘事


何処か寄り道するわけでもない。
ご飯を食べるわけでもない。

向かう場所は、ただ一箇所。


ほんとは一緒に買い物もしたいし、ご飯だって行きたい。
でもめんどくさいと思われたくないから、胸の奥にしまっておくだけ。


ホテルの部屋に入ると、蓮はあたしの身体を乱暴に押し倒した。


「きゃっ……」


小さく悲鳴を上げるあたしを、蓮が冷たい目で見下ろす。

あたしの上に跨ると、蓮に会う為だけに時間をかけて選んだ服は、何の意味も持たないまま、蓮の手によって脱がされていく。


こんなことはもう慣れた。
少しの時間でも、ほんの少しでも、可愛いって思ってもらえたらそれでいい。


蓮が片手で器用にネクタイを外すと、あたしの両手首を後手に縛る。


そのまま蓮があたしの頭の上に手を伸ばすと、低く鈍い振動音が聞こえてきた。






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