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本日もエロ日和なり
第12章 その12 あっ、ココにも長編が☆
「ありがとう。少し力がついた気がするよ」


母親はフゥ、と息をつき「気がする、じゃないでしょう……
医者になるのなら風邪に引かれてちゃダメよん」

おどけて言い、
「ああ、そうだ。
父さんからこれ……」

母親は鞄の中を探り、何やら出してくる。
チリン、と鈴の音がした。

「…………風鈴?」


「11月なのにねぇ。
あはは、あの人ちょっとズレてるのよね」


風鈴から垂れた紐には、
ビニル板が下がっていて中の紙には筆で『健康第一』と書いてある。

手紙が付いていた。
達筆とは言い難い筆文字。
『前略、春人様

枯れ葉が舞い落ちる時候となりました。
………なんて堅苦しい挨拶は無しにしようか。
慣れない毎日に苦戦しているであろう貴方へ、
50の手習いで風鈴を作った。
硝子は私が焼いたのだ、
不恰好だが味があるだろう。
医者というのは理不尽な職業だ。人を助けても感謝はされど己は救えない。身体を痛め走り回っても彼岸へ向かう人間は止められないこともある。
なのに私たちの言動一つで人の生を左右出来るのだ。医者は救われることはない。
せいぜい誰かの安心感を一瞬作れるくらいである。

私も未だに迷い子のようである。正解は無いという答えを出した後に迷うのだ。
ただ、健康で居たい。
其れが人間の根本的本能ではないだろうか。
私も貴方に健康であってほしいと願いを込めた。

もしもこちらに寄ることがあればたまには顔を出しなさい。
父そして同志より
草々』


無骨さがありありと伝わる豪快な文字で書かれていた。

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