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第14章 その14

（腰痛や疲れから、
ネガティブになっているのかしら。
やだわー、余計更けちゃうわ…）


スーパーのレジに向かって歩いていると、
人にぶつかった。

「いたっ」
「あっ、スミマセン！！」
買い物カゴを落としてしまう。
「こちらこそ、すみませ………」あたふたと拾うと、
「ケガとかないですか？
不注意ですみませんでした」
顔を上げると、
20代くらいの男性が済まなそうに頭を下げた。


（あらやだ。
すごいイケメンだわ。
何だっけ、娘が好きなあの俳優………
あ、福士蒼太にそっくり！）
背もかなり高い。

キツい系統ではなく、
愛嬌があるかわいいイケメンだ。
他の買い物中女性たちもチラチラと見ている。
「大丈夫ですよ。
こちらこそ、ごめんなさいね」

そそくさとレジを済ませてスーパーを出た。


心臓がバクバクと音を立てている。
（やだー、久しぶりにときめいちゃった）