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第15章 その15

目は二重で大きい。鼻筋は通っており口は小さめ。派手な美人ではなく言うなれば『カワイイ癒し系』。大体左山さんは、常に肩くらいまでのストレートヘア。柔らかく、クセが無い真っ直ぐな髪だ。


伸ばしたいとも思わないのか、
「いつもと同じで」がいつも同じようにオーダーされる。


ただ、
決してお洒落に興味がない訳じゃないのはわかる。
自分に似合う服をいつも着ている。。


今日は薄い紫のニットに、中には黒いシャツ。
デニムはブルーで、
足元はムートンブーツ。


自分に何が似合うかよく知っている人は、
性別年齢関係なくお洒落だとボクは思う。

70代の女性で、
銀色に紫のメッシュヘアが似合う人もいれば、
真っ黒のパッツン前髪が似合う人もいる。



左山さんは、変わらないオーダーをするけれど。
少し茶色いストレートヘアが良く似合う。。


俺…ボクは毛先を切りつつ、
ひそかにそう思っていた。

雑誌も経済誌・ファッション誌・週間誌とある。
左山さんはそのときの気分なんだろう、
毎回違う系統の雑誌を取る。

無言で目を細めて雑誌を選ぶ（視力が相当悪いからだと思う）。