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本日もエロ日和なり
第16章 その16
膝を抱えて座る、
痩せこけて貧相な男の姿。黒いダウンは穴が空き、髪は肩に付くくらいまでだらしなく伸びている。


目がはっきり描かれておらず、
しかし虚ろな表情は雰囲気から見て取れた。


手首や指、
頬骨は古い木の枝のようである。
年寄りが座り込んでいるみたいだった。

「よく、
描けているでしょう」
隣へ寄ってきて女性は覗き込む。


ビクリ、
と身体が強張った。


ピリリリ♪
と機械音がした。


女性は顔をしかめて嫌そうな表情になり、
機械音をスルーした。

が、
しつこく響く機械音に携帯電話を取り出して出る。

「今から帰るっ」


大声で怒鳴り直ぐ切る。
俺は久しぶりに人の怒声を耳にした。


「………こんなヒトと居たら、
ダメですよ」
俺は注意をしたが、
女子高校生は首を横に振りイヤイヤをする。

「また、食べ物持ってくるから、だからお願い」
と頭を下げて背中を向けて駅の方向へ走っていった。と思ったら踵を返してまた戻ってくる。

「これでも糖分になるよね」
とポケットから飴玉とハイチュウを取り出して手渡す。計5個。


俺は頷いていただくことにした。

Y公園のテントに戻り、
飴玉とハイチュウを田中さん(仮)にやる。

「お、おおっ、どうしたコレは」

「くれた」

田中さん(仮)は速くも包装紙を空けて食べている。
「ありゃ、
甘い匂いがするね」
と婆さんホームレスの馬場【ババ】さん(仮)が寄ってきた。
婆さんだから分かりやすく馬場さんらしい。
いつも訳の分からない独り言をブツブツ言っている婆さんだ。
皆、食い物には過敏に反応して急に生気を取り戻す。

田中さん(仮)が噛み難そうに噛んでいる横からササッと二粒奪い取る。


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