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第17章 その17

「………速いね………
時間とコトの運びが」


あたしは車の運転席に座ったまま、
話をする。

「…うん。
燿大とはあんまり上手くいってなかったんだ。ケンカばっかで」
「……そうなんだ…」

「彼…二股のほうね。
曽田政宗【ｿﾀﾞﾏｻﾑﾈ】っていうんだけど。
思いの外、喜んでくれて。産んで2人で家族になろうって。
こないだ彼のご実家に挨拶に伺って了承を得たんだ」

「……そっかぁ。
お仕事何してる人？何歳？」

「宮大工だよ。25歳、2コ下」

「そっか。
政宗って天下取りそうな名前だね(笑)大工さんかぁ、良いじゃん〜〜〜
経済力もあるじゃんか〜紹介してよぉ、
彼…旦那さんと独身の同僚」

「あはは(笑)
紹介するよ、今度日曜休みでしょ？
アパートが新居だから招待するよ〜。」


オッケー、
メールでアパートの住所入れといてね、お祝い持って伺うわ〜〜〜。


そう話してTELを切る。


予想外の内容だったけど。（声、幸せそうだったなぁ）
愛美の声は弾んでた。


「あーやっぱりあたしも探す！
30までに第1子産むんだー」
車内で1人口に出して言い、
エンジンをかけて帰路についた。


エンジン音がブォォーと大きく唸り、
帰宅中の歩行者数人が『何事か』と波留の青いラパンを見た………。