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本日もエロ日和なり
第18章 その18
「構いません。
何でも情報があれば教えていただきたいので」


送迎スタッフだという男性はこう語った。

店の嬢同士が仲が悪く、客を取った取られたと揉め事が普段から絶えなかった。
派閥のように2極に分かれてしまい、
片方の気の強い女の子が嫌がらせの意味を込めて、
対派閥の女の子のロッカーに火を着けた。

少しイタズラするつもりが思ったよりも燃え広がってしまったようで……


放火した本人もパニックに陥り、
手に火傷をして今は警察に居るという。

「右手が爛れてましたねぇ。
全くもう、
私も好きこのんでやっちゃないですけどね、
子供の学費が要るのに困るんですよ!」
最後は私憤である。


怒りながらも「ああ、
その放火したのはこの子です……」
ため息を吐きながらスマホを取り出してこちらに見せた。


「壁の写真は控え室でメイクアップした顔なんですよ、みんな。
ああ〜〜〜、
もう私どうしたら良いんだろう………次男がまだ中学生………」


俺は送迎スタッフのスマホの写真で、
夕美を見た。
いつものように口角を少し上げて、微笑んでいた。
―――そんな筈はない―――――………
首には、花モチーフのネックレスが控えめに光っている……

俺は駆け出した。
雑居ビルを出て、
車のエンジンを掛けて局へと道を走る。

途中、
「そうだ、
月末だから金をおろしておこう」と思い出して銀行に寄った。



人間……
錯乱すると通常の感覚を取り戻そうと妙に冷静になることがある。


俺は「ははは、
まさかそんな訳が」と1人言いながら銀行へ入る。
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