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本日もエロ日和なり
第22章 その22
数少ない友人たち――まどかは狭く深く交友するタイプだ――には軽蔑されるだろうから言ってない。


土日の休みも、
時間を潰すために読書をしたり映画を観たり友人と遊ぶ。

バカなことをしているのは分かっていた。



一昨日、
彼……野崎亨【ノザキトオル】はまどかの身体を抱いたあと、
『土曜は会えないんだ』
と眉をへの字にして辛そうに言った。


「そんなこと、
分かってるよ」


まどかはバラエティー番組に向かって呟いた。


今までだって、
土日に会う約束をしても全てドタキャンだったのに。

「アホらしい」
蓮っ葉な言い方をして、
食事の後片付けに立ち上がった。







「あれぇ?
笹本さんじゃない?」


土曜昼過ぎ。

冷蔵庫が空っぽのため、
買い出しに近所のスーパーに来ている。


「あ、
柳井【ヤナイ】さん。
こんにちは」

柳井みどりは同じ会社で働いている、パートタイマーの主婦だ。
確か、中学生の子供がいるはず。


「あはは、
ここ安いのよね(笑)」


「ですよねー。
柳井さん、こないだはお土産ありがとうございました」
まどかは家族旅行の土産に礼を言った。


「ごめんなさいねぇ、
量が少なくて。
沖縄、良かったわよぉ〜。
……笹本さん1人暮らしだったかしら?」


「はい、
そうです。
冷蔵庫がすっからかんになりまして買い出しに」


「良いわねぇ、
若いうちは1人暮らし楽しんでおかなきゃ。
ウチなんかね、
中学生の息子2人でしょ?自分の時間とお金自由に遣えるの、
羨ましい限りだわー」

みどりは溜まっていたのが、
くどくどと息子たちへの文句を連ねた。


「あらっ、
ごめんなさいね、
アタシったら引き留めちゃって。
じゃーねぇ〜。
笹本さんあなた細いんだからもうちょい食べなきゃダメよ?」
みどりは時計を見、お節介な一言を付け足して去っていった。


まどかには、
子供への文句すら〔安定の証拠〕に思えた………


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