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第22章 その22

「ただいま……」

アパートに入り、
電気を点けようと手を伸ばす。


「きゃっ？！」

突然、誰かに手を掴まれた。


「………おかえり」
亨が、
息を切らして立っている。


「………亨さん。
何で………今日、日曜だよ？」
キャリーケースを玄関から部屋へと入れつつ、
まどかは靴を脱ぐ。


上がって、
と亨にジェスチャーする。




「…………え？
今、何て？」



「妻とは、
別れた。
……もう〔元妻〕か。
子供は、あっちが引き取ったよ」


「え？3人も居るのに？」事態が把握できず、
まどかは本音を吐いてしまう。

リビングのソファーに座って、
コーヒーカップをそれぞれ持って話している。


「1年位前から、
離婚の話は出てたんだ。
妻にも、好きな人は居たんだよ。
きっと、
入籍すると思う。
生々しい話だけれど……
示談で離婚が成立して、
俺は養育費を先に支払った」

まどかは黙って聞いている。