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本日もエロ日和なり
第23章 その23
「矢幡な、
酒に呑まれてるお前はどうかと思うぞ」

「なんだとう」
急に激昂し、
矢幡は遊星をビシバシ叩いた。
そして突っ伏して泣き出す。

「お、おい。どうしたんだよっ」
仕切りがある個室だが、
他の面子が「矢幡どうしたぁ?」
と赤い顔をして笑っている。


水を飲ませ、
落ち着かせたあと解散となり、
矢幡を引き摺って抱えてタクシー乗り場まで連れていく。

「………っく。
俺、別れた………」

「ああ?
体が重いんだよ、矢幡」

「そっか……重かったからか………」
くすんくすんと乙女のように泣き出した。


「別れた?
あの美人だとか自慢してた子に?」
矢幡は泣きながら頷いている。
「他に好きなヤツができたとかって……」


「………元気出せよ。
あ、そうだ!
こういう時は何も考えずに風俗行こうよ」

ふと、
ルナのことが頭を過る。

矢幡は他の嬢への指名になるだろうけれど、
店に固定客が増えたら得だろうと思ったのだ。

「……ふん、
風俗嬢みたいな奴らの世話にならなくても呼べば来る女はいるんだよー」

酔ってるからか急に強気になる矢幡。


遊星はムッとした。
「何だよ、
風俗嬢なんかって…
必死で食い繋いでる人に失礼じゃないのか」


矢幡は聞いてないようで、タクシーに乗り込み去っていった。


遊星はムカムカしてきた。
(何だよ、
酔ってるからってルナに失礼なこと言うなっ)


ムカつきついでに、
ドラッグストアに入り少し高めのキャットフードを大袋で購入した。

ナオにやろう。



路地裏へと急ぐ。

「ナオ〜〜〜……あ、居た」
ナオは横になり寝ている。
「ナオっ、
起きろってホラ。カリカリだ…………ぞ…………」
遊星は、
しゃがんでナオの体がを擦ったが、
ピクリともしないナオに焦る。
「ナオ?ナオ!」

――――硬い、身体が――――……

死後硬直………?


見ると目は白目を剥き、
口から泡のような液体が出ていた。



「………え………」
死んでる。
ナオが。
あの大食いのナオが……

遊星はフラリと立ち上がり、
ナオの身体(身体に傷はなかった)をスーパーの袋に入れて、
更に紙袋で隠して電車に乗りアパートに帰宅した。
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