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第26章 その26

クラウンを洗車庫に停車してスイッチボタンを押した。


クラウン紳士へ「どうぞ、中に休憩室がございます。お飲み物でも飲んでお待ちください」
と促した。。


「うむ。」
堂々と胸を張り、
悠然とした足取りで歩くクラウン紳士は、
〔社会の中枢でやってきた〕オーラが滲みでていた。




もう1人、アノンと似たギャル従業員がいる。


アノンよりも大人しいが、ニコニコしていて親しみやすい。



「良かったらお飲み物いかがですか？」
クラウン紳士に訊ねる。


「ああ、
ブラック珈琲をもらおうかな。冷たいほうで」


「かしこまりました。
洗車終了までごゆっくりどうぞ〜」



珈琲を紳士に渡し、
ギャル―――宇高瑠璃【ウダカルリ】は外の業務に戻っていく。

久志は業務をしつつ、
チラリとルリを見る。



実は初日からちょっと良いなと思っていた。。
『妻子持ちが何を〜』だけれど、
童顔でタレ目で可愛く、好みのタイプだったのだ。


口数が多くないトコも好印象。



久志はあまり会話をしたこともないが、毎日ルリを見れるだけで癒しだった…………