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第27章 その27

夜10時になり、
遊と春季はすっかり酔っぱらったスタッフたちに挨拶をして店を出た。


『あれ？
里見さん居なくない？』
マネージャー女性・里見アキ【さとみあき】がいない。


いつも2人より先に店を出て、
車でスタンバイしてるんだけど…………


その時、遊のスマホに呼び出し音が鳴った。

『里見さぁん？
どこにいるの？』

「ごめーん！！
旦那の叔父が亡くなったの！さっき店から先に出たら、連絡きちゃって………
今日は2人共に私鉄で帰ってくれる？」と慌てた声が飛んできた。


『ほーい了解っす』

『何て？さとみーるは』

『親戚の人が亡くなったんだって。
私鉄で帰れってさ』

『まじ？
んじゃ俺西口だね………
また明日だね、遊』


『うん。気ぃつけてなハル』

2人は店の前で手を振り、それぞれ反対方向へと別れた。