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本日もエロ日和なり
第28章 その28


―――『おはよう…ございます』
緊張し、そ〜っと事務所のドアを開けた。


『おつかれさまです!』
仕切りの向こうから頭だけ見える。
伊東さんが返した。


植田さんが『ちょっと?
伊東さん?
あなた書類コピーもまともにできないのぉ?一桁間違てるわよ』
と伊東さんを叱った。


『え……大変申し訳ありません!以後気をつけます』
伊東さんは起立して深々と頭を下げた。



タイムカードを押しながらさりげなく盗み聞きをする。

『はあ……』
植田さんがドタドタと事務所から出ていくと、
小さな溜め息が聞こえた。


『気にしなくていいんじゃないですかね』
つい、口を衝いて出た。


伊東さんはこちらを見る。『ミスくらい誰にでもありますし』
分かったようなことを並べ立てた。


伊東さんは起立したまま、気弱そうに笑い『いえ、
私不器用なので…
叱られないと覚えないから、ありがたいんです』
と言う。



困り顔の笑顔すら可愛い。

(何ていい子なんだ…)
秋は感動した。
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