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お願い、俺を選んで。
第2章 予感
「ねっ、行こっ!」
彼女に再び声をかけられて、止まっていた世界が動きだす。
「っいや、俺はいいよ...」
恥ずかしくて、また目をそらした。
「えー!行かないのー?」
「う、うん。ガイダンスが始まるまで、ここで待ってる」
「じゃああたしは行ってこようかなぁ~」
「どうぞ」
俺がそう言うと、彼女は黙り込んだ。
何かマズいこと言ったかな...
いつの間にかキャンパスからは何の音も声も聞こえなくなっていて、俺たちの間には緩やかな風の音だけが響いていた。
耐え切れず沈黙を破ったのは、俺だった。
「そ、そろそろ式も終わるかもしれないし、君はキャンパスに行ったら?」
と、言いながら顔を上げる。彼女はスマホをいじっていた。
な、なるほど...。黙ってたのはそれいじってたからってわけね...。
気を遣った自分が馬鹿馬鹿しくて、また恥ずかしくなった。
「そうだね。そろそろ行きますか」
スマホをトートバッグの中にしまい、俺に視線を合わせる彼女。
ドキッ。
「お、俺もう少ししたら行くから」

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