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初めて知る痴愛の味
第4章 気持ちを逸らすということ
大事な連絡をメモしてから名簿を持って2年2組へと向かう

いつもしているように教壇に立って皆を眺める
だが今日は少しだけこの光景が違ったような気がする


朝の連絡を皆に伝えてから最初に授業を行う教室へ向かう
1時限目は時間が過ぎるのをいつもより長く感じていた終わりだと思っていたのに時計をみるとまだ20分も残っている


この時間の感覚の狂いに少し戸惑っていた。今までにこんなことはなかったからだ
最初にこの様子だと残っているあと4限目と6限目の授業が思いやられる

なんとか授業は終わらせた何故か自然と足が早くなる

ああそうか私は数学の本を持って来ていたんだった

ここで初めてすぐに職員室に戻って続きが読みたいと気持ちが高ぶっているのを自覚する

呼んでいるところが丁度頭を悩ませるような難問を含んだ章だった
それでも遠回しにしたりだとか諦めたりだとか数学を嫌いになるなど考えもしない


大学生の頃、教授から出された課題の中の難問にぶち当たって友人と議論しながら
答えに近づこうとしていたあの楽しい時間

それが戻ってきている様に、私が若返ったようにさえ感じた

本に書かれていることの理解に意識を全て注いでいる
その甲斐あって私の納得のいく解釈にたどり着く


これが自分に更なる自信を持たせた


もう時間は授業の5分前だったので教科書を持って早足で向かう


1時限目と説明している内容は同じ
黒板に書いていることもほぼ同じであるはずなのに変に熱が入っていた
声も大きく身振り手振りも大袈裟

仕事としてのこの授業
生徒たちに分かりやすくというのは常に心掛けていても
気持ちを表に出して授業することは若いころを除くと無いと思える

こんなにも時が過ぎるのが早いと思った授業は無かった
授業の終わりはチャイムで気づく
まだ時間の感覚は狂っている様だった

最後の授業も終わらせて2年2組へと戻る

私の椅子に座って疲れはあるのに前よりも心地よいと思える

「考え方でこんなにも違うものなのか」天井を見ながら呟く

「先生なんかあったんですか?」横で柏尾の声が聞こえ声の方を向いて
「別に無いよそれよりなんか用か?」そう返した
「いいえ用は無いですけど今日の先生すごく熱かったですよ」笑いながら柏尾はそう答えた

一年生の頃に私の授業を受けていた彼女は違和感を感じたのだろう
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