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初めて知る痴愛の味
第4章 気持ちを逸らすということ
さらに私は口下手なので伝わるものまで伝わらない恐れがある
なので私は「ちょっと待ってなさい」


そう言って相談室を抜けて職員室に向かい、ノートパソコンを持ってくる
ノートパソコンを持って現れた私に彼女はキョトンとしていた

説明するために口を開き
「今日中になりたい職業なんて決まらないだろ?だからできるだけ多くを調べれば柏尾が興味湧きそうな仕事があるかもしれない」と彼女を納得させる

続けて「なにか些細なことでもいいから興味あることとか、趣味だとか思い当たらないか?」私はそう尋ねる

彼女はその質問に結構悩んでいた
「友達と話すこととか家で一緒に遊んだりするのは楽しいって思うんですがそれ以外だとちょっと浮かびません趣味もないですし」

その答えを受けて「人とお話しする職業なんてどうだ?誰とでも仲良くできる柏尾なら先生は向いていると思うぞ」そう提案してみた

すると「例えばどんなお仕事があるんですか?」と少し気になったようで尋ねてきた

そこで私は検索にかけてみてよさそうなものを幾つか挙げてみる
「バスガイドさんだとか介護福祉士や看護師、保育士の仕事もあるなあそれに先生っていうのも一応君たちといろいろお話しする仕事だな。どうだ?なにか興味の湧くようなのあるか?」そう尋ねながらノートパソコンの画面を彼女に見せる


「このサイトまた見させて頂いてもよろしいですか?」そう言ってから彼女とは別れた
なにか興味の湧くものがあったようなのか顔は前の元気な姿に戻っていた

どんな悩みなんだろうと思っていたが彼女もやはり17歳の女の子らしい
きっとテストによって進路のことを真剣に考えだした同級生が周りに多かったのだろう
そういった子達に感化されて自分の将来について考えるようになったということだった

先生たちの作ったテストによって生徒たちが将来と向き合うようになってくれるのはとても嬉しい影響なのだった

それに私自身、先生として、一人の大人として悩み事を打ち明けることができる人だと思っていてくれたのがなによりの喜びだった


この後早めに帰宅して郵便受けを見てみる
2週間後の土曜日に開催されることになった同窓会のお知らせも届いてこの日は自分にとって少し特別な日になった

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