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初めて知る痴愛の味
第7章 自身の崩れていったものの正体がわかってもなお彼は
その日は皆を帰した後自分の仕事も早く終わらせて日が沈む前に家に帰った
いつものように干していた服などを取り込んで風呂を洗う


以前のような日常生活は過ごせている
これまでは正体の分からないものに悩みい苦悩していることを自覚しながらも敢えて無視しているそんな日々であった

でも今日でそれも終わる
そして学校を本当に辞めるかどうかという新しい悩みができた
自分の性格上すぐに相談するのかもしれないがその気さえ起きないこれはまずいかもしれない


兎に角この気持ちに区切りをつけたい
これからの生活の事も考えると先生という仕事を辞めることは現実的な話ではなかった
でもこのままでいいのだろうか自分の心は絶望と不安に満ちている

こんなことを寝るまでずっと考えていたそして朝になってからそれでも自分はそんな悩みなど無かったかのようにいつもの朝食を食べて車に乗り学校へ出勤する
結局、自分には辞めることはできないのだ
自身の先生としての全てを否定された様な出来事があっても生活には代えられなかった勿論このこともあるが今受け持っている子供達のことを考えるとそんな無責任なことはしたくなかったというのが本当のところだった


裏切られたと思い込んでいても彼らにはこれからいろいろなことがあって高校生のこの時がかなり大切であるだから自分が辞めてはいけないということ


これは頭で理解しているからこその考えだった


どうせ悩んでいてもこの気持ちが変わるには時間が掛かるのだろうなと時間を無駄にしていることに嫌気が指してくる

その週の中頃までには既に限が無いからと寝る前でさえも考えないようにしていた

そんなこともあって金曜になると休日に外へ出かけることで気分転換をしようと計画する自分がいたのだった


といっても何処へ行きたいという場所が全く思いつかない
車はあるがそれほど遠くまで足を運ぶつもりは無かったため偶には外で食事をしてみようと以前霧崎翔子とその家族を見かけたデパートに行ってみた

前よりは断然デパートに行き易いそんな感覚が不思議と足を向かせたのだ

流石に今回は彼女たちを見かけることは無かったが代わりに柏尾菜々とその両親らしき3人で楽しそうに歩いているのを見かけた


純粋にあの歳の娘を連れて買い物に出かけているのだ家庭内は彼女にとってとても暮らしやすい環境なのだろうと憶測した

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